しゃぶしゃぶの起源は 意外なあの国?

しゃぶしゃぶ画像 食べ物の歴史

しゃぶしゃぶは寒い冬の人気鍋料理のひとつですね。
そんなしゃぶしゃぶはもちろん日本で生まれたわけですが、その起源、原型はとある国にあるんです。
それはどこの国だかご存じですか?
今回は、しゃぶしゃぶの魅力とともに、その起源と生まれた歴史についてご紹介します。

しゃぶしゃぶとは?

しゃぶしゃぶは、薄く切った肉を熱い出汁の中に2~3回くぐらせて火を通し、タレをつけて食べるシンプルな鍋料理です。

しゃぶしゃぶの魅力

しゃぶしゃぶの魅力、それは、簡単に作れるのに素材のうま味をしっかり楽しめる料理である、ということではないでしょうか。

薄く切った肉は、熱い出汁にさっとくぐらせればすぐに火が通るので、肉に含まれるうま味をキープしつつ、適度に余分な脂を落とすことができます。
そして、くぐらせた出汁のうま味が肉に絡むとともに、ポン酢やゴマダレなど風味豊かな様々なタレをつけることで、さっぱりとしていながらうま味が合わさったおいしい味わいとなるのです。
また、一部肉から溶け出したうま味もまた出汁となって、次にくぐらせた野菜をおいしくします。

使う肉も、オーソドックスな牛肉や豚肉のほかに、カニやブリ、タイなど様々なものがしゃぶしゃぶで食べられるようになってきていて、肉ごとにそれぞれ違ったおいしさを味わうことができます。

しゃぶしゃぶの起源はモンゴル

実はしゃぶしゃぶの起源はモンゴルといわれているんです。
モンゴルの冬はとても寒く、外に置いておいた肉はすぐに凍ってしまいます。
モンゴルの人々はこれをどうにかして 食べようと、凍った肉を薄くそぎ落として湯に入れ、解凍してから食べていました。
この「凍った肉の解凍調理法」こそが、しゃぶしゃぶの起源なのです。

この食べ方が北京に伝わり、やがて涮羊肉(シュワンヤンロウ)という鍋料理に発展します。
シュワンヤンロウを簡単に説明すると、「薄切りの羊肉をスープにくぐらせてさっと火を通した後、タレをつけて食べる鍋料理」です。
これだけ読むともうほとんどしゃぶしゃぶと変わらない料理ですよね。

シュワンヤンロウがしゃぶしゃぶと違っている点は、以下のようなものです。
・真ん中が筒状で、そこに熱源の炭を入れて使う火鍋子という独特の鍋が使われる。
・肉は羊肉を使う
・スープは、しいたけや干しえび、干し貝柱などを入れたもの
・タレは、胡麻ペーストや豆板醤、ラー油など10種類以上の調味料を好みで混ぜて作る

しゃぶしゃぶの誕生

しゃぶしゃぶの原型は、1946(昭和21)年、京都の祇園の料理店「十二段家」の二代目主人西垣光温によって考案されました。
そのヒントとなったのが、第二次世界大戦中に軍医として北京に赴任していた吉田璋也が西垣に伝えた、シュワンヤンロウだったのです。
この料理は、羊肉を牛肉に替える、出汁を使うなどの試行錯誤の後「牛肉の水炊き」という名前で提供され、すぐに看板メニューになるほど人気となりました。

その人気にあやかろうと他店でも同じような料理が売り出され始めます。
そんな中、あるとき大阪の永楽町スエヒロ本店 三宅恵は、「肉を湯にくぐらせる音が、おしぼりを水ですすぐ音に似ている」と思い、そこから「しゃぶしゃぶ」という料理名を思いついたのです。
その後、しゃぶしゃぶの人気はどんどん高まっていき、いまや日本を代表する料理のひとつに数えられるまでになりました。
しゃぶしゃぶがこれほどの人気料理になったのは、おいしいだけでなく、そのインパクトあるネーミングにもあると言われています。

寒い季節には、いいお肉でしゃぶしゃぶを楽しみたいものですね!

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