生卵を食べる日本人を見て驚く海外の方たちがたくさんいる という話を聞いたことはありませんか?
私たち日本人は普通においしく生卵を卵かけご飯やすき焼きで食べていますよね。
では、なぜ海外では生卵を食べない人が多いのでしょうか?
また、逆に海外で生卵を食べる人たちはどのように食べているのでしょうか?
海外では生卵を食べない国が多い理由
サルモネラ菌による食中毒の恐れがあるため
卵を産んでくれる鶏は、体の構造上、卵も糞も同じ出口を通るようになっています。
そのため産卵の際に腸管内に常在しているサルモネラ菌が付着する可能性がどうしても高くなります。
このようにして産まれた卵の品質管理や衛生管理が十分に整っていない国では、生で卵を食べると食中毒になる人が出やすくなってしまいます。
(他にも養鶏場の環境由来や鶏の卵巣や卵管を経由した菌汚染もあります)
こうした国では卵は十分に卵を加熱して食べることが推奨されているのです。
また、加熱して食べることが前提となっているような衛生管理という場合もあります。
一方で日本は、生産・流通業界の安全管理の意識が高く、卵を生で食べられるように例えば次のような厳しい管理がなされています。
・養鶏場の衛生管理の徹底
・養鶏場のサルモネラ検査
・安全性の高い餌の使用
・ワクチンによるサルモネラ菌の定着抑制(必須ではない)
・次亜塩素酸ナトリウムによる卵の表面の殺菌などの処理
・検査員や機械によるひび卵や汚卵等の除去
・低温での輸送保管
・生卵を食べられる賞味期限表示の義務化
一般社団法人日本養鶏協会によれば、1992年の調査で1万個に3個くらいの汚染卵が見つかったそうであり、これは毎日1個ずつ卵を食べ続けて10年間に1回出会う確率であるそうです。
日本の卵の安全性の高さがうかがえますね。
もちろん、日本のように管理が行き渡り、生卵を食べても安全な国もあります。
なお、生卵を食べる国には、フランスや韓国、ポーランドなどがあります。
また、生卵を食べない国には、アメリカや中国、フィリピンなどがあります。
生卵を食べる日本人を見て驚く海外の方たちがたくさんいるという話を聞く気がするのは、
もしかしたら海外の話としてインパクトの大きいアメリカ人や中国人などの影響もあるのかもしれません。
海外における生卵の食べ方
海外において生卵を食べる国や文化圏では、次のように食べたり、あるいは飲んだりしているそうです。
・カルボナーラ(イタリア)・・・チーズクリームのパスタに生卵をソースとして混ぜた料理
・ティラミス(イタリア)・・・エスプレッソを染み込ませたビスケットに砂糖や卵黄、マスカルポーネチーズを合わせたクリームを重ね、仕上げにコーヒーやココアのパウダーをふりかけたデザート。
・タルタルステーキ(ポーランド)・・・牛肉や馬肉を粗いみじん切りにし、オリーブオイル、塩胡椒で味付けし、タマネギやニンニクのみじん切りなどの薬味と卵黄を添えた料理。
・ユッケ(韓国)・・・生牛肉を細切りに薬味(ゴマやネギ)と調味料(醤油やコチュジャン)で和え、卵黄を乗せる料理。
・かき氷のトッピング(台湾)・・・台湾スタイルのかき氷でトッピングとして生卵を乗せる。
・ミルク・セーキ(アメリカ)・・・牛乳に卵や砂糖などで作る懐かしのドリンク。
・アイアープンシュ(ドイツ)・・・白ワインに卵白と砂糖を混ぜ、上にバニラをのせる飲み物。
・アイスクリーム・・・夏の必需品。牛乳、卵黄、生クリーム、砂糖からできています。
・マヨネーズ(フランス等)・・・食用油・酢・卵を主材料とした半固体状ドレッシング。
・メレンゲ(フランス等)・・・卵白を泡立てた食材、およびそれを用いた菓子。
海外では、生の卵はそのものとして食べられることはないものの、料理やソース、デザートなどの材料として広く使われているのです。生卵は食べないはずのアメリカにも生卵を使った食文化はあるようです。
いかがでしょうか。意外と海外でも生卵を食べているようですね。
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