ケーキの王道、ショートケーキ。 実は日本生まれだった。

食べ物の歴史

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ケーキ屋さんには必ず置いてある定番メニュー、ケーキ界の王道。
そう、みんな大好き、ショートケーキ。

日本人の大好きなこのショートケーキ、実は日本生まれのケーキなんですよ。

ケーキや洋菓子というとなんとなく海外から来たものというイメージがあるものですが、
日本で独自に進化して生まれたケーキがいくつもあって、ショートケーキはこのうちのひとつなのです。

いつ誰が生み出したのか・・・

まず、「ショートケーキ」と呼ばれるケーキ自体はアメリカやイギリスなどにも存在しています。
ただし、日本でいうところの「ショートケーキ」とは完全に別物となっています。

例えば、アメリカの「ショートケーキ」は、イチゴや生クリームを、スコーンのような生地で挟み、その上にさらにいちごとホイップクリームをトッピングしたものが主流となっています。

このような海外の「ショートケーキ」やイチゴを使った洋菓子を日本人好みになるようアレンジした結果生まれたものが日本の「ショートケーキ」です。

さて、ショートケーキの考案者ですが、主に次の2人が考案者であるとの説があるようです。
①コロンバン創業者 門倉国輝氏 
②ペコちゃんでお馴染みの不二家創業者 藤井林右衛門氏

①の説によれば、フランスで修業したコロンバン創業者の門倉國輝氏が、「日本人の舌に合うケーキを」とつくり出したものだそうです。

門倉氏は、修行先のフランスではカスタードクリームやバタークリームのケーキが主流で、当時の日本人の舌には合わず受け入れられないのでは、と考えました。

そこで、当時の日本で好まれたカステラをべースに卵黄をたっぷり入れたスポンジケーキに、生クリームとイチゴを合わせた、甘味と酸味を持ち、シンプルながら誰の舌にもなじむケーキを作ったのだそうです。

また、その見た目は日の丸をイメージする、ということも考えて作ったともいわれているそうです。
そして、1924年に販売を開始しました。

②の説によれば、
「不二家」創業者の藤井林右衛門氏が、渡米した際に見たアメリカの「ショートケーキ」を日本人の口に合うようアレンジしてつくり出したものだそうです。

藤井氏は1912 年にアメリカの洋菓子市場で、スコーンのようなビスケット生地と生クリーム、いちごを重ねた「ショートケーキ」を見かけました。
それによりインスピレーションを受け、彼はそれを日本人の口に合うよう約10年試行錯誤を繰り返してアレンジし、1922 年に最初のショートケーキを発売しました。

なお、考案者は2つの説で分かれていますが、日本中にショートケーキを広めたのは不二家だったようです。

ショートケーキが愛されるようになった背景

まず、ベースとなったのが、カステラをイメージしたふわふわのスポンジ生地でした。

16世紀に「南蛮菓子」として伝来したしっとりふわふわしたカステラは、日本人の舌に合い、伝来した後も消えることなく時代を超えて愛されるものだったのです。
(高級品で人々はなかなか食べられなかったみたいですが)
門倉国輝氏も藤井林右衛門氏も、日本人が好むカステラをイメージしてベースとなる生地を設計したのでしょう。
ショートケーキが愛されるようになっていった下地がここにあると考えられます。

そして、口どけのよいふわふわのスポンジ生地に、ほどよい甘さの生クリーム、イチゴの甘酸っぱさ が合わさった
この絶妙なバランスのケーキは、紅白のイメージも合わさってお祝い事の定番になっていきました。

ちなみに、「ショート」という名前の由来についても考案者の命名理由が伝わっていないため、いろんな説が存在するようです。
例えば、 生クリームと苺を使うので日持ちがしないか ら、フワフワして崩れやすいから、スポンジ にショートニングを使用するから、 などです。

あのケーキの王道、長く愛されるショートケーキが実は日本生まれだったなんてびっくりしませんか?
生まれた背景に思いを馳せながら味わってみたら、より美味しく頂けるかもしれませんね。

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