シフォンケーキは保険セールスマンが発明したケーキだった

シフォンケーキ 食べ物の歴史

シフォンケーキはお好きですか?スポンジケーキよりもさらにふわふわで軽いこのケーキ。とてもおいしいですよね。

今回はそんなシフォンケーキがどのように生まれたのかについてご紹介したいと思います。

シフォンケーキはいつ誰が生み出した?

シフォンケーキは1927年にカリフォルニアの保険セールスマンであったハリー ベイカーという人物によって発明されました。
彼は、当初卵白のみを使って作る「エンゼルフードケーキ」をよりおいしくしようと研究に没頭していたそうです。

試作の数が膨大になっていくそんな中、彼はシフォンケーキ作りの鍵となる「サラダ油」を使うことを見出したのでした。
サラダ油を使うことで、これまでになかったふわふわで軽いケーキが誕生したのです。
そして、食感がシフォン(絹で織られた薄い布)のように軽いことから「シフォンケーキ」と命名されました。

彼は、後の取材で「(サラダ油の添加は)第六感、宇宙的なものだった」と語ったそうです。
おそらく、サラダ油に行き着き、シフォンケーキを誕生させた時、彼は「これはすごい発明をしたぞ」と歓喜したのではないかと思います。

それを示すように、彼はシフォンケーキのレシピを秘密にした上で、売り先をブラウンダービーというレストランやハリウッドセレブのパーティに限定。
これまでにない絹のようにふわふわでおいしい高級感あふれるケーキとして大人気となりました。
当然、レシピを真似しようとした店なども多かったでしょうが、誰も真似に成功することはできませんでした。

このように、シフォンケーキの製法は長く謎とされていましたが、
20年後の1947年にハリー ベイカーは自らの高齢などを理由としてそのレシピをゼネラルミルズ社に売却したのでした。
ゼネラルミルズ社は、1948年にシフォンケーキを「100年ぶりの新しいケーキ」として宣伝し、長い間秘密だったレシピはついに公開されたのです。
この発表後、アメリカで大ブームが巻き起こり、10年ほど続いたそうです。
この過程で、高級スイーツだったシフォンケーキは家庭で手軽に作れる身近なお菓子となっていきます。
ただ、現在のアメリカでは、シフォンケーキはお店では売られなくなってしまっているのだとか・・・。

日本におけるシフォンケーキの広まり

日本にシフォンケーキを広めたのは、岩田有司氏と言われています。
1976年にオリジナルレシピを完成させて出店し、普及していったようです。
かつてカステラが日本にもたらされて、味や食感が愛されてずっと残ってきたように、シフォンケーキも日本人の食感に合って愛されているのではないでしょうか?
シフォンケーキ専門店などもありますしね。

いかがでしたか?
あのシフォンケーキが、実は保険セールスマンによって発明されたこと。
料理人でもない一個人が新しいスイーツを発明したこと、それが20年間誰も真似できなかったこと、なんともロマンある食の歴史でした。

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